人が生きていく上で、ほどほどの不安を感じることは、自分を守るためにとても大切です。しかし、その不安がいき過ぎてしまうと、日常生活に支障をきたすようになります。いき過ぎた不安を感じるようになった状態を「不安障害」と呼びます。不安障害のなかでも代表的なものが「パニック障害」です。突然理由もなく、動悸やめまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震えといった発作を起こし、生活に支障がある状態をパニック障害と言います。この発作は、死んでしまうのではないかと思うほど強く自分ではコントロールできないと感じます。そのため、また発作が起きたらどうしようかと不安(予期不安)になり、発作が起きやすい場所や状況を避けるようになります。
このパニック障害の治療では、抗うつ薬や抗不安薬による薬物療法とあわせて、少しずつ苦手なことに挑戦し、慣れていく心理療法が行われます。無理をせず、自分のペースで取り組むことが大切です。